About 暗やみ本屋ハックツとは?

暗やみ本屋ハックツとは?

下町情緒が残り、昔からの商店街もまだまだ活気に溢れた東京都練馬区・上石神井。
初めて来たのに懐かしい。そんな優しい雰囲気のある上石神井。
その一角に、暗やみ本屋ハックツはあります。
そこに集まるのは、これから大人になる若者たちと、そんな若者たちの背中を押したい大人たち。
ハックツは、大人から贈られた「10代のうちに読んでおきたい!」本と想いを、若者たちに届けます。

生き方を広げる「キッカケ」を届ける 【大人】10代のうちに読んでおきたかった本をハックツに寄贈→寄贈された本をハックツで手に入れる→【10代】本や出会いから生き方の可能性が広がる 受け取った想いに「返事」を届ける

暗やみ本屋ハックツの仕組み

暗やみ本屋ハックツには、大人から寄贈していただいた本が並びます。多いときでは約80冊の本が一度に並ぶ予定で、営業日によって並ぶ本が変わります。そして、店内は「暗やみ本屋」の名の通り、真っ暗な暗やみ。若者たちは洞窟のなかで宝探しをするかのように、懐中電灯を片手に本を探します。

それぞれの本には大人からのメッセージつき。若者たちはメッセージを読みながら、本を手にとりながら、自分が欲しい本を選びます。寄贈された本がハックツされる(若者の手に渡る)と、スタッフより「ハックツされました!」メールが届きます。そして、ハックツでの本や出会いから、若者たちの生き方の可能性が広がるかもしれません。

暗やみ本屋ハックツができたキッカケ

No.1たくさんの大人と時間を共有することが若者には大切なのではないだろうか?

暗やみ本屋ハックツ発起人(ツルハシブックス元店主)西田 卓司

暗やみ本屋ハックツをはじめるきっかけとなったのは2002年のこと。
私は勤めていた会社を辞めて無職だった。
今後の進路に悩んでいた。

そんな時、偶然知り合ったお母さんに息子の家庭教師を頼まれた。
ただ、中学3年生の彼は、不登校でずっと学校に行っていなかった。
彼はとてもおとなしく、あまり話をしない子どもだった。
なので私はすぐには彼に勉強を教えなかった。

毎日のように彼とただ一緒にゲームをしたり、くだらない話をした。
すると彼は少しずつ笑顔が増えて元気になっていった。

そうして勉強も自ら進んでするようになり、彼はめでたく受験に合格して高校生になった。
私のような無職で将来に悩む者でも彼の力になれたのだ。
私はとても嬉しかった。

彼の周りには立派な大人や先生がいるのに、どうして私みたいなプータローが彼を元気にできたのだろうか?

もしかしたら子どもにとって、たくさんの大人と時間を共有することが大切なのではないだろうか。
家庭や学校など限られたコミュニティとは別に、いろんなタイプの大人と出会う場が子どもには必要ではないだろうか。
わたしはこの時の家庭教師の経験からそう強く思うようになった。

その10年後、私は新潟市西区内野町で小さな本屋をはじめた。
そこにあの時の思いを込めて、地下に古本コーナーをつくった。

これが初代の暗やみ本屋ハックツである。
そして今回、縁があってブックスタマ上石神井店(東京都練馬区)の一部をお借りして、上石神井で暗やみ本屋ハックツをやらせてもらえることとなった。

ここには本を寄贈した大人とそれを買った子どもが繋がれるように、たくさんの工夫がされている。
大人と子どもが時間を共有する場だ。
そして1冊の本を通して、子どもたちの世界がぐんと広がっていくのだ。

No.210代のうちにこそ、地域の素敵な大人に偶然出会えるきっかけがあったなら

暗やみ本屋ハックツ代表・店長原奈々美

高校時代、家と学校以外に居場所を見いだせず、小さなコミュニティのなかで息苦しさを感じていました。当時抱えていたもやもやとした気持ちは、バックグラウンドの異なる大人と出会い、多様な価値観に触れるなかで少しずつ解消されていきました。

10代のうちにこそ、地域の素敵な大人に偶然出会えるきっかけがあったなら…。若者の人生は、より多くの選択肢にあふれた、わくわくするものになるのではないでしょうか。本を通じて、大人と若者が出会い、つながれるきっかけを届けていけたらと思います。

No.3家庭でも学校でもない、第三の居場所を地域につくろう

暗やみ本屋ハックツ演出家宮本明里

若者たちの第三の居場所を作りたい。そんな想いから、暗やみ本屋ハックツは始まりました。
10代、特に高校生までの若者は、家と学校が主なコミュニティになりがちです。
そんな普段の日常からちょっと視点を変えて、商店街のおばちゃんと話す機会があったら。
面白い大人と出会う機会があったら。
その若者の人生は、もっと選択肢があふれた、わくわくするものになるのではないでしょうか。
発起人西田と同じく、私も、家庭教師をしていたことがあります。
「家や学校に、自分のことを分かってくれる人がいない」
そうして、自分の殻に閉じこもってしまった若者に出会いました。
そんな彼女を救ったのもまた、「地域」でした。
朝市で、楽しそうにまちの人にお茶を売っている彼女の姿を見た私は、
10代のうちこそ、「多様な」大人との、「偶然の」出会いが必要であると確信しました。

暗やみ本屋ハックツでは、本を通して、若者が地域の素敵な大人たちと出会うことができる機会の提供を目指しています。
大人と若者がともに語り合い、わくわくであふれる「秘密基地」のような場所を、一緒につくりませんか?